Moon light
月夜眩しい夜、僕はカーテンを開けて空を見上げた。
暗闇にぽっかり空いた穴のような大きな月が僕を見下ろしている。
月の光に照らされて伸びる僕の影…
『眠れないのか?』
影が僕の肩を抱いた。
「もう一人の僕…なんとなく、目が冴えちゃって」
『相棒が寝られないなんて珍しいな』
「悪かったね、いつもはベッドに入ったらすぐぐっすりの子供で」
拗ねる僕の頭を撫で、もう一人の僕は笑いを堪えている。
この顔。
他の人はもう一人の僕がこんな顔で笑うのをしらない。
僕だけが知ってる君の秘密。
「ねぇ。君が一緒に寝てくれたらすぐに寝られる気がするんだけど」
含みを込めた口調でそう言ってみる。
すぐに何を言わんとするか気付いたみたいで、もう一人の僕はぼっと顔を赤くした。
『相棒…それは…』
頬を染め、困った顔をする君。
僕しか知らない君だらけで、もっとイジメてみたくなっちゃう。
「駄目?」
首に手を回して、無邪気を装って、わざと聞いてみる。
『…んっ』
首の後ろの弱いトコロ、爪で掻いてみたりして。
それだけでびくびくしちゃうんだね。
『あ・相棒…』
困惑で揺れる瞳。吸い込まれそうなその瞳に映っているのは僕だ。
僕の目にも君しか映ってないよ…
「欲しいんだ…君が」
つくかつかないか、ぎりぎりまで唇を近づけ、そう囁いた。
もう一人の僕の言葉が欲しいから、それまではじらしてあげる。
『あいぼ…』
唇が動くたび微かに僕の唇に擦れる。
『…俺も…ホシイ……んぅ』
待ってましたとばかり唇を吸う。
そして華奢な身体を傾け、ベッドに押し倒した。
『ふぁ・ぅん…』
白い肌に舌を滑らすと堪え切れない甘い声が切なく漏れる。
噛むように吸い上げると月夜に紅い所有の証が浮かんだ。
「もう一人の僕…愛してる…」
『はぁ…っ…お・俺もだぜ…相棒…ああ・んっ』
細い身体を無理矢理手折り、限界まで欲望の塊を突き上げた。
『あぁぁっ!あっ・あっ!』
がくがくと揺れる身体。
背中に立てられた爪がぎりぎりと僕に刻印を刻んでゆく。
艶かしいその肌にキスを降らせ、さらに深く一つになろうと貪りあう。
僕の移し身のはずなのに、こんなに違うのは、君と僕は別の人間になったからなんだね。
それでも同じだった頃を思い出そうと一つになりたくなるんだ。
『も・…っイク…!』
「く・ぅっ…!!」
びゅくんっ!
二人の間でもう一人の僕のモノが熱い猛りをぶちまけた。
同時に僕ももう一人の僕の中に精を放つ。
一つになって堕ちてゆくように、瞳を閉じ、僕等はベッドに沈み込んだ。
月明かりが一つに寄り添う二つの魂を、ただ見守っていた。
+++++++++
「ん…」
太陽の眩しい光に目が覚め、僕は起き上がった。
『おはよう相棒』
「おはよ…もう一人の僕」
飄々とする彼の姿を見ていると昨日のアレは月が見せた幻だったように思えてしまう。
…でも。
首筋に残る鬱血した痕、あれは昨日僕が…
「…うわわ・っ」
『どうした相棒?』
「う・ううん!さあ、学校いこっと!」
思い出して紅くなる顔を必死に隠しながら、僕はベッドから跳び降りたのだった。
END
◇2002/09
UP◇
◆表×闇でした(笑)
別サイトでキリをとった友人の花鳥風月さんがリクエストをくれたのですが…まさか闇受けとは…(汗)
未知の領域だったのですが思いの外よく動いてくれて、さらさらと書けました。
表闇もいいねえ(笑)
というか表ちゃん攻めが…かな?(結局それか)
感想などもお待ちしています☆