同室の受難
「…ぅん…っ」
松葉寮の一室、三上は隣のベッドから聞こえる唸り声で目を覚ました。
隣のベッドには武蔵森の守護神と評される渋沢が寝ているはずだ。
いつもは静かなその隣人の、いつもと違う行動を、
三上は無視できずに声をかける。
「…渋沢?」
しかし、返事はない。
時計を見るとまだ朝の3時になったところで、三上は頭を掻いた。
そして面倒くさいと思いながらもベッドから降り、渋沢の顔を覗き込む。
「…ぅう…」
脂汗を流し呻くその姿は尋常ではない。
「渋沢?大丈夫か?」
…なにか変なものでも食って腹でも壊したか?
…藤代じゃあるまいし。
…なにか病気持ちだったなんて聞いてねえしなあ。
何はともあれ軽く肩を叩き、起こそうとしてみるが、
目は堅く閉じられたまま。
起きる気配は全くない。
「どうすんべ…こうなりゃ…」
「…めろ」
叩き起こしてやろうかなどと思索していると、
不意に渋沢が呻くような声を上げた。
よく聞き取れなかった三上は耳を近づける。
「やだ・やめろ!」
なにかに怯えるような声を上げる渋沢。
その姿は、どこかで見た小説かなにかと似ていた。
…やばい。
ネットでだったかな?
なにかで見たか聞いたことがある。
こういうシチュエーションは、たいがいアレだ。
三上は苦しむ渋沢を見下ろし、一人で納得の表情を浮かべた。
やっぱり渋沢も思春期だったんだな。
…相手は誰だ?
やっぱ藤代あたりか?
…って、おいおい。
馬鹿な考えにどっぷり浸っていた三上の耳に、
さらに衝撃的な一言が入ってくる。
「やだ……嫌だって言ってるだろ!!!間宮!!」
ま・間宮!?
ぎょっとして三上は渋沢を見下ろした。
……マムシ?
渋沢の趣味って…
………いや。
ありえないありえないありえない!!!!!
大慌てで渋沢の肩を揺さぶり、頬をたたく。
「おい、渋沢!おいったら!起きろ!!!!!」
「…はっ!」
「渋沢、大丈夫か?随分うなされてたぜ?」
「あ・あぁ…」
「で、何の夢見てたんだよ」
額に浮かぶ脂汗を拭い、渋沢は
きょろきょろと辺りを伺うような仕種を繰り返す。
そんな渋沢の様子に、三上は心配の色を浮かべながら尋ねた。
まさか、本当に…??
「いや…間宮が…」
そこまで言って青い顔をうかべ、渋沢は息を飲んだ。
「間宮が…?」
つられて三上も真顔になる。
「ま・間宮が…俺の首に蛇を巻こうとするんだよ!!
俺は嫌だって言うのにこの子は大人しいし可愛いからとか言って!!
俺が爬虫類嫌いなの知ってるくせにっ!
…三上が起こしてくれなかったら今頃は…ううぅ……考えるだけで恐ろしいよ。
本当に感謝する。ありがとな。………三上?」
一通りまくし立て、渋沢は、
自分をぽかんと見下ろす三上を覗き込んだ。
三上はしばらくぱくぱくと口を動かしていたが、
やおら拳を渋沢の頭に振り下ろした。
「痛ぁっ!なにをっ!?」
「…てめえ、いっぺん死ね。」
「な………なんなんだよ、一体」
殺気だったオーラを揺らめかせながら自分のベッドに戻る三上を、
渋沢は首を縮め見送った。
「ったく、心配して損したぜ」
布団を大きく被り、三上は二度目の睡眠を貧るべく瞳を閉じる。
うなされる渋沢の表情が色気だってたな、
なんてことは頭の隅に追いやりながら。
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「三上!朝連に遅れるぞ!おい!三上!!」
翌朝、熟睡している三上を渋沢は起こすのに一苦労したらしい。
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2003/08/05
UP
武蔵森話でした(笑)
三上と渋沢が同室、というのは
オフィシャルなネタではないことを今日知りました(笑)
結構何処のサイト様でも同室設定だから
そうだと思ってたんですが…
まあ、うちも同室設定なんですが(笑)
でも、三×渋ではありませんので!!!(笑)
やっぱりこの二人はギャグでしょう☆
ということで
感想等お待ちしています☆★