MOON
我々の種族は月に支配された生活を送っている。
新月の夜は活動が停止し、いくら起こしても起きることはない。
ツアー前などには苦労するとアッシュがいつもぼやいている。
逆に満月の晩などは血がたぎり、血を欲し、活動的になる。
今夜は見事な満月が我が城を紅に染めていた…。
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メルヘン王国北部にある城の厨房のそばの一室。
アッシュが泊まりに来ると必ず使う部屋である。
「…ぅん…」
満月が煌々と部屋を照らしていた。
満月は狼男の彼にも影響を色濃く遺し、唸り声とともにはだけさせた肌はなにかを待ち侘びているようにも見える。
ギィッ…ぎしっ。
「ん…ぅ…だれっスか…?」
ベッドの軋む音に耳をぴくぴくさせながらアッシュは目を擦って起き上がった。
「ユーリじゃないっスか。どうし…」
自分に馬乗りになるように乗り掛かるユーリに声をかけようとして、アッシュは息を飲んだ。
自分の動きを留めるその光は吸血鬼一族の技というべきものだ。
ユーリの温かな息が首にかかる。
「…お腹空いてるならなにか作るっスよ?」
「いらん…」
「そうっスか…っ・ぅん…ふ…」
首筋を甘噛みされ、アッシュはのけぞった。
紅い液体がユーリの口元を濡らす。
「は・ぁっ…」
甘い声がアッシュら漏れ、ユーリの耳をくすぐった。
「…っ!?ユーリ!食事が済んだならもう止すっス!
ちょっ…ひぁ・どこ触って…ぁっ!なに考えてるっスか!…ゃあっ」
冷たい手を服の下に手を差し入れられ、アッシュはユーリに向き直って喚いた。
「お前が欲しい。それだけだ」
淡々と述べられて、一瞬ぽかんとしてしまう。
「どーいう理屈っ…ぁ・待っ…ひぁぅ」
「理屈などない…お前も同じだろう?」
自分と同じ紅い瞳がそれを教えてくれる。
同じ…満月に魅了されし部族よ…
「違う…っス…これはただの生理現象…ひぁっ…んぅ…」
「なんだっていい…もう黙れ」
強引に塞がれた唇。侵食してきた舌が絡み付いてくる。
痺れるような匂いは彼が食した自分の血液の香り。
「ふ・ぅん…」
犬歯の裏側を嘗められ、あまい声が漏れた。
「ゆ…ぅり…ユーリぃっ」
「…アッシュ」
紅い満月に彩られ、異形の獣が二匹、影を交わらせ鳴いていた。
+++++++++
翌朝、アッシュは一人でベッドに横にになっていた。
朝日がまぶしく窓から差し込み、緑色の髪を照らしている。
今までのは全部夢だったのだろうか…アッシュはのろのろと起き上がった。
ズキィン☆
「◎△◎;×□!?」
声にならない叫びをあげ、アッシュはベッドに突っ伏した。
「突然動くと腰に響くぞ?」
いつの間にか隣にいてそう言うのは原因をつくった張本人。
「誰のせいっスか!?」
「私のせいだろうな」
「…はぁ。なんでこんなことするっスか…」
そんなにおれのことキライっスか!?
盛大な溜息をついてアッシュはそう続きを言おうと口を開いた。
「何故?それは昨晩も答えたはずだが?」
「え?」
「お前が欲しかったからだと言っただろう?つい満月に勢いづいてしまったがな。」
ふむ、と感想を述べるようなユーリの台詞にアッシュは唖然となりながらベッドに突っ伏した。
「そんなの卑怯っス…そりゃあ、俺だって…」
「なにか言ったか?」
「な・なんでもないっス!さあ、朝ご飯作らなきゃっスね!!」
ポツリとつぶやいた言葉がユーリに届いていないことを祈りながら、アッシュは厨房へと駆け込んだのだった。
「満月にはねぇ、人を惑わす力があるって言われてるけど、心の底にある欲望をあらわにする力もあるんだってさ。怖いねぇ…ヒッヒッヒッ。」
二人を横目ににやにやしながら、スマイルは手に持つギャンブラーZにそう話し掛けたのだった。
☆あとがき☆
ユリアシュでした。
初ポップン小説です。まだ慣れてなくって、ちゃんと書けているのか不安ですが(苦笑)
光琉はアッシュラブデスキーなのでDeuil内でのアッシュの扱いは子供並です(笑)
特にスマイルにはなめられっぱなしかと(苦笑)
感想等おまちしています☆