あいつには、現在の俺を見て欲しかったんだ。



The past and reality




同じ高校に来るもんだと思ってた。
シニアでずっと組んでたし、
喧嘩も罵声もたくさんあったけど、
あいつは俺を見限らなかったし。

なのに。



県大の、ガラガラの応援席に、あいつの姿を見つけたときは、
はっきり言って、幻像かと思ったくらいの衝撃で、
一瞬胸が嫌な音を立てた。


「タカヤ!!!」


久しぶりに呼んだ名前は、舌の上で、妙に引っかかりを感じた。

何度か呼んで、やっときたあいつは、散々記憶に焼きついたあのしかめっ面で、
また、心臓がギリ、と鳴った。


「お前、どこ入ったんだよ?」
「西浦っす」

ニシウラ?
どこだよそれ?
俺が武蔵野第一入ったこと知らなかったのか?


「オイ、試合終わるまでいろよ」
「こっちも団体行動中ですから」

相変わらずナマイキ!!!

「なんだぁ。そのモノイイは!!!」

でも、そんな嫌味言われたのが、変に嬉しかったり。
変だな、どうしたんだ?



あいつがいる応援席の目の前にある、ブルペンで投げてるとき、
絶対お前は俺を見てるって、変に確信があった。

秋丸が捕ってる球見て、悔しく思っててくれないかな、とか。
お前に捕らせてる投手が、このストレート見て、意欲喪失しないかな、とか。

集中してる心とは別のとこで、考えてる自分がいた。








試合が終わって、慌てて応援席へと走ったけど、
もうお前の姿はなく。

後ろ追ってきた秋丸に気づいて、仕方なく後ろ髪引かれながら諦めた。

「勝って、一言言ってやりたかったのに」




ねえ、話させてよ。
俺、あれからいろいろあってさ、

思えば、最悪の時だけ、一緒にいたんだな。
交わす会話も嫌味や怒号だけで。
だからこそ、いま話したい。
いいチームに恵まれて、最高の野球ができてる現在だから。

隣にお前がいないのが、悔しいくらいに。

サイテーって、もう言わせないくらい投手になっただろ?
お前に見せるためなら、一球だけ、最高のストレート投げてやる。

…お前はいま、誰の球受けてるの?
そいつの球受けるたび、俺のこと思い出してる?


いいたいことはいっぱいなのに、
なんで、お前はここにいないんだろう。




悔しくて、でも誇らしくて。
秋丸の構えるミットに、軽やかに一球放り投げた。






+++++++++


2005/03/24

表題訳*「過去と現実」

ハルアベでした。
榛名初登場話そのままなぞらえ。。。
なんか、榛名くん…基本のキホン!が無かったら本当に嫌われキャラになる子ですよね。
まあ、あの腐り具合は、いろんな意味で青春!なんでしょうが。。。

自分的ハルアベ考察としては
「いやいやいいながらもついてきてくれる女房…だと思ったら、定年過ぎて突然離婚を言い渡されちゃった」
ってかんじで(ヒデエ

まあ、新しい女房(秋丸くんやら町田先輩やら)もいるし、
新居(武蔵野第一)もあるし、NE!!!(なにがNE!だ…

…感想等、お待ちしております。。。